R.I.P. Chuck Berry

2017/03/20 Mon 19:41

チャック・ベリーが亡くなりました。享年90歳だから大往生と言っていいですね。

あまりにも偉大な存在の人なので私がどうこう言うこともないですが、若い頃に友達が持っていた”Very Good!!”というLP3枚組50曲入りのアルバムをカセットテープに録音してもらって、それこそ何度も何度も繰り返して聴いてました。50曲大体似たような調子の曲が続くwにもかかわらず、最後まで全くダレることも飽きることもなく、ずっと気分が高揚したまま聴き通せる音楽というのは、やっぱりグレイトと言うしかないですね。訃報を聞いて昨日からずっとチャック・ベリーをかけてますが、今でもその音楽は昔と全く同じように響いてきます。

だいぶ前に渋谷陽一さんが、いわゆる3コードのロックンロールの、何ものにも代えがたいような、この圧倒的な快感、これは一体何なんだ?..みたいなことを雑誌で書いていたように記憶してるんですが(記憶違いならすいません)、まあ古いロックが好きな人なら大体みんな同意するかなあ。否が応でも血が騒ぐ、というか。いつ聴いても血が騒ぐ大好きなロックンロールはいっぱいあるけど、チャックさんはやっぱその元祖か。合掌..🙏

そういえば、昔のギター小僧なら誰でも”Johnny B. Goode”のリフを弾いたことがあると思うけど、今どきのギターキッズはどうなんだろう?(笑) 

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トーマス・ルフ展

2017/03/18 Sat 14:59

3/12に終了しましたが、金沢21世紀美術館でのトーマス・ルフ展を見に行ってきました。

トーマス・ルフは一応写真家というくくりの方ですが、今回の展覧会を見ると、もはや写真という枠を遥かに飛び越えていて、「写真表現をベースにした、コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト」とでも言えばいいのか?(テキトーですがw) とにかく多彩なアイディアと表現にあふれた刺激的な展覧会でした。

展覧会は、過去から現在に至るまでルフさんが取り組んできた18のシリーズで構成されています。中には、予備知識なしだとルフさんがこの作品群で一体何をしようとしているのか、写真を見ただけではなかなか理解するのが難しいシリーズもあります。私は普段は展覧会へ行っても説明文をそれほど読まない方なんですが、今回は各シリーズごとの説明パネルがかなり役に立ちました。(笑) 1枚の写真またはその集合、その背景にこれほどの深い思考や洞察が存在しているのか、という事実にまずは心を動かされます。

Thomas Ruff
友人たちを撮った巨大な「ポートレイト」シリーズ
これだけ巨大に引き伸ばされると、もはやポートレイトではない別のものになってる感じ。

Thomas Ruff_lmvdr_other portraits
こちらは「アザー・ポートレイト」から。
犯罪捜査のためにかつて警察で使われていたモンタージュ写真合成機を使って制作された、この世には存在しない人のポートレイト。骨格と目鼻の位置に違和感がある人もいたりしてて、何だか幽霊のように儚げに見えてくる。

Thomas Ruff_lmvdr_nights
湾岸戦争のときの暗視カメラによるミサイル攻撃の映像に触発されたという「夜」シリーズから。緑色の画像は美しいけど、穴から異界をのぞいているようでちょっと怖い、怖いけどどこか詩情のある不思議な感覚。


シリーズの中でビジュアル的に最も惹かれたのが、「l.m.v.d.r.」と「ヌード」でした。
「l.m.v.d.r.」はミース・ファン・デル・ローエの建築を撮ったシリーズですが、デジタル加工された画像が非常にスタイリッシュに感じられ、鮮烈な印象を受けました。ミースは近代建築の先駆者なので、その建築を今現在の目から見ると逆に普通というか至って当たり前の建築に見えるんですが、ルフさんの画像で見ると新たな命を与えられて現代に蘇ったよう。

Thomas Ruff
Thomas Ruff
Thomas Ruff
「l.m.v.d.r.」シリーズ

Thomas Ruff_nudes
こちらは「ヌード」シリーズより。この作品集をお持ちのKさんの話によると、あまり過激なのは今回来てなかったみたいです。(笑)

Thomas Ruff
「jpeg」シリーズ。これが一番わかりやすいといえばわかりやすいか?


もう一つ印象的だったのは、「Press++」と「ニュースペーパーフォト」
この2つのシリーズは制作年代は全く違ってますが、2つで対になっているように感じられました。どちらも報道写真を題材にしてそれぞれ全く逆のアプローチで作品化したもので、「Press++」は写真にその当時のメモ書きなどの文字情報を合成した作品、「ニュースペーパーフォト」は逆にキャプションを取り除いて画像のみを提示したもの。これら2つの作品群が円形の同じ部屋に展示されていて、これらを眺めている自分は1枚1枚の画像から一体何の情報や意味を受け取っているんだろう?..と考えてしまいました。画像が元々持っていた意味や情報、それをどう伝達して人がどう受け取るのか、どう変質していくのか、という根本的な部分を問われているんでしょうか?どうもうまく言葉にできませんが、眺めているうちに何だか頭が混乱してきて面白かったです。(笑)

Thomas Ruff
「Press++」シリーズ

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うーん、これは評判通りの、本当にいい映画でした。

リアルで淡々とした描写、ユーモアを交えて基調は明るいトーンで描かれていながらも、誰もが奥底に大きな喪失と悲しみを抱えつつ、必死に日々を生き続けていかねばならないことの切なさ、それゆえに他者にかけるさりげない愛情や思いやり..。そんな空気が物語全編にあふれていて、特に泣かせるような場面でもない何気ない会話の場面やなんかで、何だか急にこみ上げてきて途中何度も目が潤んでしまいました。まさにタイトル通り、この世界の片隅で自分を見つけてもらい、居場所を見つけ、普通に、当たり前に生きていくことのかけがえのなさ、愛おしさが胸に迫ってくる映画です。

おっとりした主人公のすずさんの苦悩や葛藤を吐き出す心の声...「…何が良かったんだろう..?」「そうです、そうです..違います」..には非常に共感したし、すずさんと水原君とのやり取り、機銃掃射の真っ最中の夫との口論、原爆投下の日の朝の、口うるさかった小姑の優しい言葉…などなど、じわじわくる印象的な場面が多数。

アニメーションの絵も柔らかく優しいタッチで、1場面1場面に気を遣って非常に丁寧に作られてますね。例えば彩度を落として描かれた戦時中の街の風景の描写など、とても美しいです。

あと、すずさんの声を演じたのん(能年玲奈)さんの吹替えは、ちょっと不器用で微妙にずれた感じのタイム感が絶妙。コミックを先に読んだ人にとっては賛否両論あるのかもしれませんが、私としてはもう「すずさん=のんさん」でドンピシャOK、という感じでした。その原作のコミックも、今度是非読んでみたいです。

オープニングに流れたコトリンゴさん「悲しくてやりきれない」のカバーも秀逸。



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かもめ児童合唱団 にハマる

2017/02/28 Tue 19:34

2017年も2ヶ月が経とうとしてる今頃になって言うのも何ですが、去年2016年に聴いた音楽で一番良かったのは何だろな~、といろいろ考えてみたところ、一番かどうかはともかく真っ先に思い浮かんだのが、日頃お世話になっているKさんに教えてもらった かもめ児童合唱団

かもめ児童合唱団は、三浦半島最南端の神奈川県三浦市三崎の子供たちの合唱団で、今のところアルバムは「焼いた魚の晩ごはん」(2010年)と「インターネットブルース」(2016年)の2枚が出ています。

何がそんなに良かったかというと、これはまあ第1に選曲の妙ということになるんでしょうか? 上記のアルバム2枚を昨年まとめて聴いたんですが、いきなり「焼いた魚の晩ごはん」1曲目の大塚まさじの「うた」からすっかりヤられてしまいました。何しろ、年端もいかない、いたいけな子供の声で「くたばってもいい~死んでもいい~」とか歌われると、こっちはもうどうしていいかわからない。(笑)

全体的に、カバーもオリジナルも普通は子供が歌うような歌ではない選曲がなされていて、この微妙な違和感がたまらん魅力になってます。おそらく歌詞の意味はさほど理解してなさそうな?子供たちの声で歌われることで、逆にその歌の深さがダイレクトに心に響いてくるような、逆説的な力が生まれていると感じました。

オリジナル曲の風刺の効いた歌詞も面白いし、カバー曲では「うた」の他にも、坂本慎太郎のブラックな「あなたもロボットになれる」とか、西岡恭蔵の「自転車に乗って」、ミルトン・ナシメントの「トラベシア」、スピッツの「田舎の生活」とか、ホント素晴らしい。



曲のアレンジも多彩でバックの演奏もよく練られていて、間奏のギターソロなんかもめちゃめちゃカッコ良かったりしてます。ひょっとしたら人によってはあざといとか思う人もいるのかもしれないけど、私は素直に楽しめました。プロデューサーは藤沢宏光さんなんですが、この方は相当なキレ者なんじゃないかと..。

つい先日公開された新しいビデオでは、ジェーン・バーキンの"Ex-Fan De Sixties"をレゲエでカバーしてますが、これまたイイすね〜。(そういえばこの曲を作ったセルジュ・ゲンスブールのレゲエのアルバムも、そのダブアルバムもすごく良かった。)そんなわけで、新しいアルバムも非常に楽しみ。

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ツィゴイネルワイゼン

2017/02/24 Fri 18:30

鈴木清順監督が亡くなりました。

清順監督と言えば、私の場合やっぱり「ツィゴイネルワイゼン」
というか、それが全てと言ってもいいくらい。大学に入ってすぐの頃、確かバイト先の社長さんに薦められて観てみたこの映画、それまで映画といえばまあ一般的にアクション・恋愛・サスペンス・SF…といったものしか知らなかった田舎出のガキには非常に衝撃的で、何が何だかわからないながらもこの幻想的で退廃的な世界にすっかりハマってしまいました。少し背伸び気分もあったと思うけど、感性で見る、ありのままで感じることを教えてくれた映画といっていいかもしれません。キャストの原田芳雄、藤田敏八、大楠道代、大谷直子、その他の人たちも、みんな個性たっぷりで濃厚な味があって、ほんと魅力的でした。

その後、三部作ということで「陽炎座」「夢二」も観たけど、やっぱ「ツィゴイネルワイゼン」が一番だなあ。もうずいぶん長い間この映画も見ていないので、監督の訃報を聞いて、というのもなんですが、久しぶりに見たくなってきました。

鈴木清順監督のご冥福をお祈りします。

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叔父さんの冥福を祈る

2017/02/22 Wed 19:37

何かと忙しくて、久しぶりの更新となりました。

先月末、郷里の秋田の叔父さんが亡くなり、葬儀のために夜行バスのとんぼ返りで行ってきました。親父のすぐ下の弟で、家も一番近くて親戚の中でも最も頻繁に行き来のあった叔父さんなので、とても寂しいですね。消防署員として長年働き、性格は朴訥としていて、大の巨人ファンで野球が何よりも好きな叔父さんでした。

両親が存命中から、夏にはさくらんぼ、冬にはりんごを毎年欠かさず送ってくれていました。叔父さんから届く季節の味は、いつも懐かしく故郷を思い出させてくれるものでした。ひとり残った叔母さんのことも気にかかります。

私の両親は二人とも兄弟姉妹の中で一番早く他界したので、残ったおじさんおばさん達は、両親亡き後は自分と郷里をつなぐような存在でもあったのですが、そんなおじさんおばさん達もこの10年ほどの間に一人二人とこの世を去っていき…、まあみんなそういう年齢なのでどうしようもないことなんですが、故郷がますます遠くなる一方でほんと寂しいですね。それに去年は実家も売却して人手に渡り、もう帰る家もなくなってしまったしなあ。今の生活に特に影響はないとはいえ、なんだか根無し草になったような気分。

「さよならだけが人生だ」という有名な漢詩の一節があるけど、自分も年齢を重ねてきたせいか、ほんとに年々この言葉が妙に実感として胸に迫ってくるようになりました。

山形駅
夜行バスで早朝に着いた山形駅、蔵王連峰からの朝焼け。
ここから奥羽本線を電車で秋田へ。

十文字
夕方帰る頃にはひどい雪になり..

十文字駅
駅も雪に覆われてます。いつも感じるんだけど、こんな風に故郷を離れるときの、
誰もいない冬の夜の駅ってほんと侘しいんだよね〜

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福田尚代さんの回文と美術

2017/01/19 Thu 17:30

最近、福田尚代さんという美術家がとても気になってます。
昨年11月に出版された「ひかり埃のきみ」という作品集には、美術の他に福田さんが取り組んでいる回文も収録されているそうなんですが、新聞やネット記事にいくつか載っていたのを紹介すると、

「仮名の実 詩の石 またたく芥 たましいの染みの中」

「遠く闇の音 星の下 私の死 骨のみ焼く音」

「抱いていた卵 対だったがしぼみ 星がたった一個またたいていた」


..うーん、素晴らしい。回文であるという制約を軽やかに(実際は大変な苦労をされてるんでしょうけど)、鮮やかに打ち破って、想像力を強烈に刺激されるイメージ豊かな言葉として美しく結実させていて、わ~凄いな~、とつくづく感心してしまいました。長いものでは300字を超えるものもあるそうで、一体どうすればそんなものが作れるんだろう?と..。

ちょっと調べてみたら、何と金沢の山鬼文庫で昨年11月21日まで福田さんの個展が開かれていたそうで、あちゃ~もっと早く知ってたら見に行ったのにな~、と今非常に悔しい思いをしています。

実際の展示は見ていないので確かなことは言えませんが、Webで見た福田さんの作品は、本や原稿用紙、消しゴムなどの素材を繊細に加工して構成した、工芸的で、なんだか静かに独りごとを言っているみたいな、まさに見る詩のような印象。

原稿用紙をくり抜いた作品は、昨年21世紀美術館の「コレクション展2|ダイアリー」で見てその中で一番気に入った、セシル・アンドリュの「定時課」(本の文字を白く塗りつぶした作品)と似ているな~、とも思いました。と思っていたら、やはりこの両者を結びつけている21美の学芸員の方のレポートもあり。でも実際の印象はかなり違ってると書いてあるな..。

というわけで、福田さんの作品もいつか見られたらいいなと思いつつ、今「ひかり埃のきみ」が届くのを楽しみに待ってるところ。
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