桜の森の満開の下

2012/04/18 Wed 00:00

ここ奥能登輪島でも待ちかねたように桜が一気に咲き始めました。
やっぱいいですね桜は..。
この季節になると否応なく思い出してしまうのが、
ちょっとベタですが坂口安吾の「桜の森の満開の下」
昔、元上司で文学部出身のY部長に
「お前の好きそうな話だから読んでみろ」と言われ
早速読んでみたところ、はい、おっしゃる通り、
とても気に入ってしまいました。

桜

映画や漫画にもなるくらい有名な小説なので
読まれた方も多いと思いますが、何なんでしょうね、この話は。
読書感想文は昔からあまり得意ではないのでうまく書けませんが、
狂気、残酷、無慈悲、グロテスク、猟奇性..
それらすべてを飲み込んだ、ぞっとするような、冷たい、究極の美しさ?
とでも言うんでしょうか? あとには虚空だけしか残らないような。
何度読み返しても足下からぞわわと寒気がして鳥肌が立つような気分になります。

桜

桜

いつの頃からか私も人並みかそれ以上に桜が好きになり、
毎年花が咲くとついふらふらと眺めに行ってしまうのですが、
桜を見るのに一番好きなシチュエーションは、
少し花冷えの薄曇り、薄暗くなりかけた夕暮れどきあたり。
あまり人もいない静けさの中、甘い香りに鼻孔をくすぐられつつ
満開の桜の木の下を歩いていると、
あの主人公のように恐怖まで感じることは別にないですが、
やっぱり何だかこの花は現世のものではないような、あるいは
異界に迷い込んだような、妙に心がざわつく不思議な気分になってきます。
梶井基次郎も「桜の樹の下には屍体が埋まっている」とか書いてたし。

桜

山桜にはまだ日本的な花鳥風月の風情をより感じますが、
ソメイヨシノが葉をつけずに花だけを満開に咲かせる様は、
確かに狂気みたいなものを宿しているようにも見えますね。
まあ小説の方は山桜なんでしょうけど。

桜

桜

余談ですが安吾の他の作品では、詳しい人なら大方想像がつくと思いますが、
「夜長姫と耳男」も相当気に入っております..。


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