8月 原爆忌に思う

2011/08/09 Tue 23:02

8月という月は、生命の力が最もみなぎる盛夏の中にありつつ、
広島、長崎の原爆の日、そして終戦記念日、
さらには故郷や父母、祖父母を思い出すお盆も重なって、
鎮魂の気持ちとともに過去に思いを巡らせてしまう、
どこか感情をざわざわと掻き立てられる季節のような気がします。

今日8月9日は長崎原爆の日です。
先日6日の広島原爆の日、NHKスペシャルで
「原爆投下 活かされなかった極秘情報」という番組がありました。
これまで米軍の原爆投下は防ぎようのなかった奇襲攻撃だと言われてきましたが、
新たな証言と資料から、実は日本軍が原爆投下の動きを事前に察知していながら
何ら対策を取らなかった、という内容でした。
特に長崎においては、2度目の原爆攻撃があることを
5時間前にほぼ把握していたにもかかわらず全く手が打たれず、
空襲警報すら出されることがなく、広島と同様に
全く無防備な状態で再度の悲劇を招いてしまったとのこと。
もし何か動いていたとしても原爆投下を防げたかどうかはわかりませんが、
少なくとも被害を最小にする努力はできたのでは、と思うと、
悔やんでも悔やみきれない思いがします。

「もし2度目の原爆攻撃があったら、体当たりしてでも止めるつもりだった」
と語っていた、長崎に近い大村基地の元日本軍パイロットの本田稔さん。
本田さんが、上層部が情報を掴んでいたことを今回初めて知らされた、
そのときの驚き、怒り、痛恨の表情... そしてじっと目を瞑りしばしの沈黙の後、
「これが日本の姿ですかね…。また同じことが起きるんじゃないですか。
こんなことを許していたら。」と語った言葉があまりにも重すぎます。

この番組を観た多くの人が同じように感じたかもしれませんが、
やはりどうしても今起きている原発事故、
それに対する政府の対応と重なって見えてしまいます。
なぜこれほどまでに危機管理ができないのか?
なぜ失敗から学ぶことができないのか?
何か日本人の民族的な特性でもあるのだろうか?
それとも世界の他の国でもこんなものなのだろうか?...と。

上層部の人間の無知、無為無策、傲慢、根拠のない楽観主義、自己保身、無責任..など、
もちろん責めを負うべき人間は厳しく追及されるべきだとは思うのですが、
彼らを断罪するだけでは済ませることのできない、
日本人の組織としての問題も大きいのではないかという気もします。
何にしても、国を導く立場の人間の判断ひとつで、
何も知らされていない国民がとてつもない災厄に見舞われてしまう、
そんな悲劇はもう2度と起きてほしくないと強く思います。

それにしても思うのは、
私たちがチェルノブイリ、スリーマイル島という地名を誰でも知っているように、
世界中でHiroshima、Nagasakiに続いて、Fukushimaまで
負の記憶として認知されてしまったのが残念でなりません。

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