輪島漆芸美術館で毎年恒例の、全国の漆芸専攻の大学生による卒業作品展(→)
毎年面白いですが、今年も力作がたくさん。気になった作品をいくつか。

富山大の森田志宝さん、漆を塗った絹糸を天井から吊るした「eversince」
糸や繊維と漆を合わせる試みは以前からありますが、この作品はライティングの妙もあって、
絡み合った糸のあちこちに球状に溜まった漆がキラキラと光って美しく、
クモの巣のようなウェット感があって面白いです。

大学生にして早くも自分の棺を作ってしまった、京都市芸大は佐々木萌水さんの「未棺成」
環境について考えるという意味で既製の段ボール製の棺に塗ったとのことですが、
どうせならガーナの棺のように素地の形から作っちゃえばもっと面白かったのに、
と思わないでもないかな。
日本には古墳時代に乾漆の棺(夾紵棺)を作っていた歴史もありますし。
ところで作品タイトルの「未棺成」というのは、ひょっとして
自分がこの棺とともに燃やされて完成、っていう意味なんだろうか?

同じく京都市芸大の矢野洋輔さん、「木と漆 今日の影」は、
漆を使うという必然性はあまり感じられなかったものの、
プリミティブアートのような木板彫刻の柔らかい質感が眼に心地よく、
半立体の絵画として結構気に入りました。

金沢美大の長谷川悠希さんの「standpoints」
長谷川さんは2年前にもこのブログで取り上げたことがありますが(→)
今回は院生として再び出品されているようです。
今回も以前の作品をバージョンアップしたような同じ動物のシリーズ、
相変わらずツボを押さえたセンスの良い造形、
漆らしさを失わず軽みを持たせる仕上げの技術も上手です。

同じく金沢美大の池田晃将さん「Supernaturalism」
伝統的な細密加飾技法と現代的な造形を上手にミックスさせた、
将来性を非常に強く感じさせる作品。
昨年夏に金沢の山ノ上ギャラリーで「漆芸感覚」という展覧会を見たんですが、
ひょっとしてこの人はそれに出品してた人じゃないかな?
と思って後でググってみたら、やっぱりそうみたいです。
この人の造るものをもっとたくさん見てみたい、と思わせる魅力に溢れていますね。

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