群れは意識をもつ

動物の群れの動きのメカニズムを、モノとコト、個と集団(部分と全体)、
同期と非同期、能動と受動…という様々な観点を軸にして考察した本。
特に「モノ」と「コト」の関係性から見た群れの理解が重要視されている。

以前から、脳の神経細胞の信号の集積がなぜ意識を生むのか?
という問題にとても興味があって、
動物の群れと脳や人工知能の類似の話も聞いたことがあったし、
この本でもその辺りについて触れられているので読んでみたんだけど、
やっぱりもっと基本知識がないとなかなか難しいかな、こういう話は。

前半はボイドと呼ばれるいろいろな群れのモデルが紹介されて、
後半は著者の理論と実験による「相互予期」をキーワードにした
モデルについて詳しく述べられている。
一般向けの新書にしては結構学術的というか記述が少々カタめで、
実験データの図表も豊富なのでなかなかすんなりとは読めなかったが、
丁寧に説明を追っていけば大体のところは飲み込める。

文書を分類するのに群れの理論を使うという話も面白かったが、
特に印象的だったのは第3章、「ミナミコメツキガニの群れは痛みを感じているか」
著者の理論と実験を元に、ダチョウ倶楽部の熱湯風呂コントの構造は
「能動的受動と受動的能動」であるという話から、「相互予期」の群れのモデルの説明へ、
そこから「群れは痛みを感じている」という結論に至る過程は、とても鮮やかで面白い。
「モノ」と「コト」という視点から見た、
身体にとっての「痛み」というものの捉え方も腑に落ちるものがあった。

意識問題についてのまとめはなかなか難解だったが、
哲学的というか抽象的な話ではなく、実験を元にした実証的な記述なので説得力もあり、
今後の展開のヒントになるんではないだろうか?と、素人ながらの感想。
群れに関する面白そうな本は他にも出ているみたいなんで、いろいろ読んでみたい。

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