目黒雅叙園に行く

2013/05/05 Sun 23:01

もう結構時間が経ってしまいましたが、
3月に東京へ行ったときに目黒雅叙園を初めて見学してきました。
木造の旧館で現在も唯一残っている「百段階段」と、
それに沿って作られた七つの座敷でちょうど生け花の展覧会を開催中で(5/19まで)、
私が行ったときは草月流や古流松應会といった会派の見事な生け花を鑑賞しつつ、
都の文化財でもあるというこの建築を見ることができました。

目黒雅叙園といえば豪華絢爛な建築内装で有名ですが、
確かにここまでやるか?というくらいほんとにド派手な装飾が施されていて、
見応え十分、ぶらぶら見てるだけでお腹いっぱいになります。
一番すごかったのは「漁樵の間」の彩色の木彫でしょうか。
一方、鏑木清方の絵が飾られた「清方の間」のように、落ち着いた雰囲気の部屋もあります。
各部屋の障子の桟組にもそれぞれ手の込んだ意匠が凝らされていて、見事なものでした。

かつてブルーノ・タウトが桂離宮を絶賛し日光東照宮を酷評したために、
日本人の間にもずっとそういう見方が主流として定着してきた感がありますが、
近年はもっと多様な評価がなされてきているようです。
確かにコテコテに飾り付けるという様式も日本美術のひとつの特徴として、
建築に限らず工芸や絵画においても存在感を持ってきたのは事実ですね。
私の場合、どっちが好きかといわれれば、桂離宮のように研ぎすまされた簡素の美の方に
やっぱり惹かれるけど、日本画で一番好きなのは若冲だったりもします。
一方漆工芸では蒔絵ものもいいですが、やっぱりシンプルな根来が一番好きですね。

というわけで全然話がまとまりませんが、この雅叙園についても
これまでは何となくキッチュな建築、というくらいのイメージしかありませんでした。
でも実際こうして初めて見てみると、戦時中の生活が厳しく物資も不足する中で、
ここまでの建築を作り上げた心意気にはなかなか感動するものがありました。
よくぞ空襲の被害に遭わないで残ってくれたものです。
また機会があったら見学してみたいと思います。

旧館内は撮影禁止だったので、以下は新館内のスナップです。

目黒雅叙園
移設された(と思われる)レリーフ

目黒雅叙園
目黒雅叙園
広い化粧室(トイレ)の中も過剰とも思える装飾。これは蒔絵・螺鈿の壁画です。
何でも雅叙園のコンセプトは「竜宮城へ遊びにきて帰る」ということだったので、
化粧室とはいえ手を抜くわけにはいかなかったそうな..。

目黒雅叙園
エレベーターの扉もこのとおり。
化粧室も含め、これらの螺鈿は韓国の漆芸家、全龍福さんの手によるものだそうです。
確かにこれは朝鮮漆芸のセンスと技法ですね。

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