漆工芸いろいろ

2013/02/15 Fri 00:01

いつものUさんに見せていただいた漆工芸品の中から3点ほど。


佐治賢使

これは芸術院会員、文化勲章受章者の佐治賢使。
輪島市にも多くの日展作家の方がおられますが、年代によっては
この人の影響を受けた方も多いのではないでしょうか。
これはごくシンプルな小品ですが、エキゾチックな雰囲気に
図案化された獅子がしゃれた印象を与えています。
蒔絵も特別凝ってはいないですが、さりげなく小技も効かせてあって、
カチッとした締まりのいい作品に仕上がってますね。
個人的には大型のパネル系の作品よりも、こんなあっさりした作品の方が好みです。


吉田楳堂

次のこれは地元石川県の彫漆作家、吉田楳堂。
この人は日展、伝統工芸展の両方で活躍した人です。
彫漆といえば香川県ですが、石川県で彫漆をやっていた人は珍しいですね。
吉田楳堂は以前輪島漆芸美術館で初めて見た作品が非常に印象的で、
その名がしっかり脳裏に刻まれてました。
この人の作品はどれも意匠に独特の雰囲気があって素晴らしいです。
小松出身ということで、小松市立本陣記念美術館
作品がたくさん収蔵されているみたいなんで、今度じっくり見に行ってみようかと。


天野文堂

最後のこれは輪島初の女性漆芸作家といわれる天野文堂の沈金。
昭和24年、輪島の女性で初めて日展の特選を受賞し、
また女性で初めて親方として独立し、弟子を育てた方としても知られています。
当時は沈金の彫りは男の仕事で、箔置きが女の仕事とされていたのですが、
この人はそんな慣習を打ち破って彫りの巧みさで稀な才能を発揮しました。
旦那さんの天野三郎さんは蒔絵の名工で優れた図案家でもあったのですが、
自身の作家への夢は捨て、夫人への理解と協力を惜しまなかったそうです。
これは小さな香合ですが、師匠の藤井観文直系の
柔らかいノミさばきをじっくり堪能できる佳品です。

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