毎年この時期、石川県輪島漆芸美術館で
「漆芸の未来を拓く-生新の時」という展覧会が開催されている。
漆芸を専攻する大学生、大学院生の今春の卒業・修了作品が展示されているのだが、
これがなかなか面白くて毎年楽しみにしている。先日観に行ってきたので感想を少し。
(会期は2011年6月26日まで・無休)

4回目となる今年は、全国の7大学から計41点が出品されている。
美大生らしい思い切りはじけたアート志向のオブジェから、
用を意識したクラフトデザイン、更には伝統工芸志向のものまでバラエティに富み、
各大学のカラーの違いもあって見ていて楽しい。
各人がそれぞれの感性で漆という素材に向き合い、未完成で荒削りではあるものの、
それなりの答を見い出して昇華させていった様子が作品からうかがえる。

個人的に気になった作品をいくつか挙げてみると、
まず金沢美大の岡知代さんの「URUSHI-SURFACE」 という作品。
黒漆の吸上げという渋い技を使った3枚の連作パネルで、
学生の作品にしてはちょっと落ち着き過ぎ?かもしれないが、
漆と光線の織りなす繊細な美しさを巧みに表現している。
とてもセンスがいいというか、かなり成熟した感性を持った人だなと思う。

ジーンズ・革・ジッパーなどの質感を漆で表現した東京芸大・佐々木岳人さんの
MIRAGE」はねらいが面白く、しっかりした技術もある。

京都芸大・市川陽子さん「あうん ねむりのなか」という漆皮によるトルソは、
造形表現もコンセプトも完成度が高く、強い引力を感じる力作。

同じく京都芸大の佐野暁さん「ぼく うるしぬりくん」は、
キャラクターを作って展開するという漆工芸ではこれまであまりなかったパターンで、
漆が好きな気持ちが伝わってくるイラストも楽しい。

いつもは古色蒼然?とした雰囲気の漆芸美術館だが、
この展覧会のときばかりは館内に元気な若者達のざわめきが満ちているようで、
今年も刺激的かつ楽しい時間を過ごすことができた。

※上記で紹介した作品の一部は現在各大学のウェブサイトで
見られるようなので、リンクを貼らせていただきました。
スポンサーサイト
工芸・アート・デザイン | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
こんにちは。
メールアドレスを変更していたので確認が遅くなってしまいました。
ご連絡していなかったんですね...。
すみません。

楽しみが一つ増えました。
ちょくちょくのぞきにきまーす。

↑黒漆の吸上げ、というのは初めてみました。
おもしろいですねー。
実物を見てみたいなぁ。

ご訪門ありがとう~
あいちゃん、こんにちは。お久しぶりです。もう体調は大丈夫?
こちらはまだ梅雨入り宣言も出てないのにだんだん蒸し暑くなってきました。
漆も早いです。
こちらもときどきお邪魔してます。初個展、盛況になるといいですね!応援してます。
のんびりアップしていきたいと思ってますのでまた遊びに来てください。
皆さんにもよろしく。

管理者のみに表示