「手で確かめられる範囲のことを、ていねいに大切におこなっていくだけではだめなのではないか、という不安…」

これは今年の元日の新聞に載っていた川上弘美さんの言葉ですが、5月半ばになった今でもこの言葉がずっと引っかかっていて、折に触れて繰り返し心に浮かんできてます。

一つには、戦争や大災害なんかがあると私たちの日々の暮らしなんて簡単に吹き飛んでしまうし、しかもそれは遠く離れた場所や遥かな昔に起きたことでもなくて、割と近いところで実際に起きてます。今現在も苦しんでいる人がたくさんいるし、ひょっとしたらこれから自分の身に降りかかってくることがあるかもしれない。もちろん川上さんはそういう大きな災厄のことだけを言っているのではなくて、この世界全体が複雑で捉えきれなくなっていることを、不安とともに語っています。

普通に、自分にできることを誠実に、当たり前にやっていけば何とか生きていけるし、生の充実も感じられる。ずっとそんな世界であってほしいんだけど、そうではなくなっていくのではないか、という怖さや不安。日々そんなに大きなストレスを抱えているわけでもないし、それなりに興味のあることや楽しみもあるけど、私も川上さん同様に何故か最近こんなことをよく感じるようになってます。年齢のせいなのか、それとも、ずっと経済が停滞したままの時代に育ってきた今の若い人たちは、もっと切実に不安を感じてたりするんでしょうか?

SF小説なんかだと、未来の世界は荒廃したディストピアとして描かれたり、逆にいろんな問題が解決したユートピアであったりするけど、ほんとにこの先50年後や100年後の世界は一体どうなっているんだろう..?もちろん自分はそこまで生きてはいないけど、例えば5年後や10年後でも正確に予想するのはどんどん難しくなっていくような気がしますね。

できれば、「手で確かめられる範囲のことを、ていねいに大切におこなっていくだけで」ささやかに、幸せに生きていける世の中であってほしいですね。

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日本人でよかった?

2017/05/11 Thu 19:30

「私 日本人でよかった。誇りを胸に日の丸を掲げよう」という神社本庁のポスターの女性が、実は中国人だった、ということでいろいろモメてるようです。神社本庁という組織の性格からして、制作側にしたらこれはまあチョンボということになるんでしょうけど、実は逆説的な深い意図があったりして..。w

まあ人によってこの件の受け止め方は様々でしょうが、考えてみると(別にそれほど深く考えたわけではないですが)、この「日本人でよかった」という言い方はホントえげつないというか、全く無意味でくだらんものだな〜、というのが個人的な感想。だいたい「日本人」て何なんだろう?いろいろ定義はあるだろうけど、突き詰めるとどんどんその境界は曖昧になっていくし、結局は便宜的なものにすぎないんじゃないかな?と。

でも今回の件、人種や国籍で人を区別することの根本的な愚かさを考えるきっかけになれば逆に良かったのかも。「日本に住んでてよかった」とか「日本に生まれてよかった」ならまだ話は多少わかるけどね..。

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