福田尚代さんの回文と美術

2017/01/19 Thu 17:30

最近、福田尚代さんという美術家がとても気になってます。
昨年11月に出版された「ひかり埃のきみ」という作品集には、美術の他に福田さんが取り組んでいる回文も収録されているそうなんですが、新聞やネット記事にいくつか載っていたのを紹介すると、

「仮名の実 詩の石 またたく芥 たましいの染みの中」

「遠く闇の音 星の下 私の死 骨のみ焼く音」

「抱いていた卵 対だったがしぼみ 星がたった一個またたいていた」


..うーん、素晴らしい。回文であるという制約を軽やかに(実際は大変な苦労をされてるんでしょうけど)、鮮やかに打ち破って、想像力を強烈に刺激されるイメージ豊かな言葉として美しく結実させていて、わ~凄いな~、とつくづく感心してしまいました。長いものでは300字を超えるものもあるそうで、一体どうすればそんなものが作れるんだろう?と..。

ちょっと調べてみたら、何と金沢の山鬼文庫で昨年11月21日まで福田さんの個展が開かれていたそうで、あちゃ~もっと早く知ってたら見に行ったのにな~、と今非常に悔しい思いをしています。

実際の展示は見ていないので確かなことは言えませんが、Webで見た福田さんの作品は、本や原稿用紙、消しゴムなどの素材を繊細に加工して構成した、工芸的で、なんだか静かに独りごとを言っているみたいな、まさに見る詩のような印象。

原稿用紙をくり抜いた作品は、昨年21世紀美術館の「コレクション展2|ダイアリー」で見てその中で一番気に入った、セシル・アンドリュの「定時課」(本の文字を白く塗りつぶした作品)と似ているな~、とも思いました。と思っていたら、やはりこの両者を結びつけている21美の学芸員の方のレポートもあり。でも実際の印象はかなり違ってると書いてあるな..。

というわけで、福田さんの作品もいつか見られたらいいなと思いつつ、今「ひかり埃のきみ」が届くのを楽しみに待ってるところ。
スポンサーサイト
工芸・アート・デザイン | コメント(0) | トラックバック(0)
昨年末まで新聞で連載されていた金原ひとみさんの小説「クラウドガール」
今どきの若い女の子の2人姉妹が主人公の小説ということで、最初はちょっと馴染めなかったけど、途中から結構引き込まれて読んでました。

最後はちょっと無理やりまとめすぎな印象でしたが、その少し前の段の姉のモノローグが、最近自分が回りの世界の捉え方や受け取り方、人との関わり方のことやなんかで薄ぼんやりと考えていたことを、まるでそのままズバリと書いてあって、個人的にちょっと驚き。

その部分を引用すると、
「…そもそも情報を取捨選択するということは、誤解や偏見込みでものを認識するということに他ならないのだから、そんな選択基準の差異に突っかかって何故あなたはそういう人間なのかと議論することには意味がない。私たちは膨大なデータベースと共に生きていて、もはやそこから決定的な嘘も、決定的な真実も捉えることはできない。(途中略)私たちにできるのは、どの情報を採用するかという選択だけだ。...」

..といったようなことで、小説では、母の衝撃的な死の現場に2人一緒に立ち会いながらも、何年か後にはその場面の2人の記憶が有り得ないほど全く違っていた…というエピソードが描かれています。自分では現実の認識や記憶が他人と有り得ないほど違っていた、という経験はそれほどないけど、何もそこまで極端じゃなくても、人間は限られた分別とか計らいの中で、真実かどうかはともかく自分が捉えたいようにしか世界を捉えられない生き物なんだな、と思うことが近年多くて、何だか最終回のこの姉の言葉が妙に胸に刺さってきました。そんなこと今更気づいたんかい、って言う人もいるかもしれないですが。w

まあそれは置いといて、小説では理知的で冷静で常識的な姉 vs. 奔放で直情的で非常識な妹、という設定なんで一見姉がまともに見えるんですが、読んでいくと実は姉の方がひどい妄想の世界に生きているようにも描かれていて、その辺もまた一筋縄ではいかない感じがして面白かったです。

それにしても最終回が掲載されたのが12月30日なのに、1月6日にもう単行本が出てるんだね。

IMG_0791.jpg
本・映画 | コメント(0) | トラックバック(0)

飛騨一宮水無神社へ

2017/01/06 Fri 19:20

新年おめでとうございます。

というわけで、今年の初詣はちょっと遠出して飛騨高山の飛騨一宮水無神社へ。
幸いこの時季には珍しく天気も良くて、なかなか快適なドライブ日和。
東海北陸道が開通してから、輪島から高山まで3時間とだいぶ便利になりました。
まあ富山〜岐阜の山岳地帯はほとんどトンネルで景色は楽しめないので、
時間に余裕があったら富山市から国道41号を走った方が面白いですが。

この飛騨一宮水無神社はその名の通り飛騨国の一ノ宮ということで、
この辺りでは初詣の人気No.1神社なんだそう。

飛騨一ノ宮水無神社

飛騨一ノ宮水無神社

神社の大きさとしては中規模、参道を歩いて行くと川向こうの山の懐に抱かれるようなロケーションがいかにも神域らしく、大木に囲まれた落ち着いた雰囲気のいい神社でした。

飛騨一ノ宮水無神社

飛騨一ノ宮水無神社

初詣で渋滞や混雑に巻き込まれるのがイヤで、以前はあまり人の行かないようなところにわざわざ行ってみたりしたこともあるけど、あまりに人が少ないと新年早々何だか寂しい気分になるんだよね〜。
というわけでこの日(2日の昼過ぎ)はほどほどの人出、ほどほどの賑わいでちょうどいい感じ。国道を挟んだ河川敷が臨時駐車場になっていて、混雑もなくスムーズに停められました。

飛騨一ノ宮水無神社

飛騨一ノ宮水無神社
狛犬の造形がちょっと変わってて面白い。苔がいい味出してます。
こちらは「あ」

飛騨一ノ宮水無神社
「うん」

飛騨一ノ宮水無神社
境内にある大銀杏。
ヤドリギのような寄生植物がついてるせいか、一見して銀杏に見えません。

飛騨一ノ宮水無神社
本殿脇の稲荷神社の参道


初詣のあとは高山市内に移動して、古い町並みを散策しました。
正月から外国人観光客も多数。

高山

喫茶去かつて
一休みに入ったカフェ「喫茶去かつて」のわらびもち


高山の酒屋さんで見た濁り酒が美味そうだったんで、思わず3種類買ってきて飲み比べ。
どれもこれまで飲んだことのない濃厚さで、度数も17~18度と強くて結構来ます。
しばらく濁り酒の旨味にハマりそう..。

飛騨の濁り酒

能登・北陸 | コメント(0) | トラックバック(0)
 | HOME |