金沢21世紀美術館で8月29日まで開催中の「第2回金沢工芸トリエンナーレ」
今回は「工芸におけるリージョナルなもの」というテーマで、
日本・台湾・アメリカのニューメキシコ州・オーストラリアの先住民の
4つの地域の工芸、アートを紹介しています。

展示作品の中で強く印象に残ったのが、橋本雅也さんの彫刻。
鹿の角や骨から彫り出したという繊細な草花の数々には、
今まで感じたことのない、乾いた硬質な美しさを感じました。
光が透けるほど薄く、ちょっと触れただけで壊れてしまいそうな、危うい質感です。
しなやかに、色とりどりに咲き誇っていたはずの花々が、
今はその形は保ったまま固くこわばって白一色の中に沈黙している..。
まるで生きている草花をそのまま火葬して骨にしてしまったような、
強烈な「死」のイメージが漂ってきます。
それはまた、時が止まったような永遠性も同時に感じさせます。
この作品は21美のモダンな展示室で見ても十分良かったですが、
できれば古い民家や廃屋なんかの薄暗い室内のようなところに置いてみたら、
更に違った表情を見せてくれるかもしれません。

あと印象的だったのはCHICARA NAGATAさんのバイク。
もともとバイクというモノは機能美を極めたように美しいものがたくさんありますが、
このバイクはさらにその美しさを極限まで追求していて、
いつまでも眺めていたいと思わせるほど魅力的でした。
タイヤ以外は全ての部品が手作りだというこのバイク、
最初見たときは実際に走るとは思わなかったのですが、全て実際に走れるんだそうです。
私はバイク乗りではないんですが、これを眺めていると
何だか血が騒いで自分もスピード狂になってしまいそう。

他の展示作品では、オーストラリア先住民の民芸品で、
草で編んだ太陽のような敷物も非常に美しかったですね。
柳宗悦もこれを見たら結構気に入るんじゃないでしょうか。
同じ素材と手法のランプシェードも良かったし。

というわけでこの日は同じ21美で9月1日まで開催中の「内蔵感覚」も見たんですが、
こちらも非常に面白かったんでまたそのうち感想でも。

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東の廓の黒猫

2013/08/21 Wed 18:58

higashiyama_cat.jpg

ここ能登地方は一雨降って暑さも少しだけ和らいできたところです。
金沢は東の茶屋街の路地裏にて。

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決断とは

2013/08/14 Wed 19:01

新聞の悩み相談のコーナーに評論家の岡田斗司夫さんがときどき回答を寄せているんですが、先日の回答の中に印象的な言葉がありました。

「決断とは、『正しくないことを選択し、あとの努力で正しかったことにする』行為です」

う〜ん、これは含蓄のある言葉だ..。

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しばらく前に地元の建築士の方に教えてもらった、白井晟一という建築家(1905~83)。
非常に哲学的というか、精神性の高い作風の孤高の建築家と言われています。
高名な方なのですが、恥ずかしながらこれまでその作品についてほとんど知りませんでした。
遅ればせながら図書館で作品集を借りてきてじっくり眺めてみたんですが、
石造の重厚な現代建築も木造の日本建築も、確かに静謐な空気感にあふれ、
思索的とでもいうか独特な世界観に貫かれていて、すっかり魅了されてしまいました。

驚いたのが私の郷里の秋田にも数多くの建築を残していて、
何でこんな有名な人を今まで知らなかったんだろうと..。
近年は以前ほど帰省する機会がないんで、もっと早く知ってたら見て回ったのにな〜。
まあそのうち見られることもあるでしょう。
ちなみに北陸では富山市にも有名な「呉羽の舎」という木造住宅があり、
大学の建築科の学生はみんな課題でこの家の図面を模写して学ぶんだそうです。

というわけで今週出張で東京に行く機会があったので、空き時間に
飯倉交差点にある代表作の一つ、「ノアビル」を見に行ってきました。

ノアビル
日比谷線の神谷町の駅から歩いていくと、
ちょうど道の向こうに異様な存在感を持ってその姿が現れてきます。

ノアビル
イスラム圏の旧市街を囲む城壁を連想させる赤レンガの重厚な基壇に、
天から降ってきたモノリスが突き刺さって屹立しているような感じです。
じっと眺めているとまるで巨大な墓碑のようにも見えてきました。


ノアビル

ノアビル

哲学的、精神性の高さ、といった表現を明確に説明しろと言われると
何とも難しいんですが、この強烈な印象、確かにそんな言葉が相応しいかもしれません。
このビルは竣工が1974年ということなのでもう40年近く経っているんですが、
この日は私の他にも近づいて撮影している人がいました。

東京に現存する白井晟一の建築は、他に渋谷の松濤美術館(現在改装中)や、
浅草の善照寺などがあります。また上京の折にはぜひ見に行ってみようと思います。

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「手口学べ」って...

2013/08/02 Fri 19:11

しっかしまあ、政治家の失言にはもういちいち驚きもしなくなったけど、今回の麻生元総理の
「(ドイツの)憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」にはさすがに驚いたな..。

本人は「私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである」と釈明してますが、だとしても「手口学んだらどうかね」はどうにもそれをお手本にしろ、みたいに聞こえますね。普通は。
また「喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげた」と言っていますが、そうなると「だれも気づかないで変わった」とも矛盾してきます。結局何が言いたかったんだろう?

まず「ナチス憲法」というものは存在しないそうだし、そもそも「だれも気づかないで変わった」なんてことはあり得ないでしょう。ナチスに反対した人はひどい弾圧を受けたはず。
それを「手口学べ」ってなあ...。
まあ発言全体として、もっと落ち着いて憲法について議論しよう、という趣旨は読めますけど、ナチスを部分的にせよ引用して参考にすればいい、みたいに受け取られる発言を、世界が好意的に解釈してくれるはずもありませんね。

それにしても麻生さん、もう重鎮といってもいい歳なのにねえ..。中国や韓国とうまくいってないこの時期に、同じ価値観を共有しているはずの欧米まで敵に回してしまうようなことを、日本国の元首相が言ってしまったわけですからね。日本のイメージダウンも甚だしい。中韓にとっては格好の攻撃材料になるだろうし。
ここは安倍総理も、麻生氏を擁護しないで役職を辞任させるくらいのことをした方が、日本はこういうことには毅然と対応をする、というメッセージにもなって、今後の日本にとってもいい結果になるような気がするんですが。
これくらいで騒ぎすぎだと考える人は、ちょっと国際感覚が鈍いんじゃないかと思うけど、どうなんでしょうね?まあ別に私も国際感覚があるわけじゃないですが。

ちなみに「手口」という言葉も何だか気になったんで辞書を引いてみたら、
大辞林では「悪事などを実行した時の方法・手段。『巧妙な-』『掏摸(すり)の-』」
大辞泉では「犯罪などのやりかた。また、その特徴。『侵入する―が同じだ』」
って、やっぱ悪い意味だけやん。あ、だからナチスは悪い、って言ってたことになるんか?
でもそれに学べ、って言ってるしなあ。わけわかんないね、やっぱり。

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