富山県美術館へ行く

2017/09/20 Wed 23:24

8月末に新築オープンした、富山県美術館へ行ってきました。
前身の富山県立近代美術館の頃も何度か行ったことがありますが、20世紀美術とデザイン中心のコレクションは結構好きでした。

富山県美術館
建築設計は内藤廣さん

富山県美術館
2Fと3F、全面ガラスの明るいホワイエから環水公園が見渡せます。
広々として気持ちいい空間。これで立山が見えれば文句なしだったんだけど、残念ながらこの日は雲に覆われてます。

富山県美術館
2Fの屋外広場にシロクマのオブジェが

富山県美術館
富山県美術館
佐藤卓さんプロデュースのオノマトペの屋上
子供達が大喜びで遊んでました。

富山県美術館
でかいタッチパネル式のディスプレイで、名作ポスターを鑑賞できます。

富山県美術館
ホールではこの館自慢の名作椅子&名作ポスター展。椅子の一部には実際に座れます。
ポスター展のこの2枚、カッコいい〜。奥はル・コルビュジェ、手前はキース・ゴダード。

企画展の「生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて」も見てきましたが、昔から非常に好きなマーク・ロスコの絵を見られたのが良かったかな。ロスコの絵にしては小さめでしたが。

それにしてもロスコの絵、実物をそんなに何度も見たことがあるわけじゃないけど、こんなにシンプルな絵なのに何でこれ程の深さ、とてつもない奥行きを感じるんだろう?といつも考えてしまいます。抽象表現主義の絵画ではあるけれど、絵を見つめていると確かな風景が見えてくるし、そのうちに意識のベクトルが変わって、だんだん自分自身の内面にじっと向き合っているような感覚に襲われます。

富山県美術館 たいめい軒
というわけで、昼飯はやたら色黒なシェフwで有名な日本橋たいめいけんのオムライス。
お昼どきは行列でしたが、確かに美味しかったです。
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先週は東京に出張。空き時間に駆け足で日本橋高島屋の藤原新也「沖ノ島展」と、国立新美術館の「ジャコメッティ展」を見に行く。

藤原さんのは2013年の写真集「神の島 沖ノ島」掲載の写真が中心だったけど、大判で見ると沖ノ島の静かな空気感がよりリアルに伝わってきますね。記録することを意識して撮ったとのことですが、どの写真を見てもやっぱり藤原さんの写真の匂いが濃厚に漂ってます。
世界遺産で話題になってるせいか、平日にもかかわらず特にご年配の方でかなり混雑。みんな世界遺産好きなんだな〜。

沖ノ島

沖ノ島



ジャコメッティは実物をこれだけまとめて見たのは初めて。ジャコメッティの彫刻はあまりにも有名なので、大体みんなイメージが意識にすっかり定着しているだろうけど、改めてまっさらな目で眺めてみるとほんとに不思議な姿をしている。w

解説を読むと本人は非常に切実な思いで制作にあたっていたようで、それを踏まえてこの異形の作品群にじっと向き合ってみると、何だか芸術家の計り知れない精神の深淵を垣間見たような気分にさえなってきます。ジャコメッティに詳しいわけじゃないんで実際のところはわかりませんが、宗教性のようなものを強く感じるというか..。

ジャコメッティ

会場に小さな女の子を連れた若いお母さんがいて、その女の子が作品の幾つかに妙に反応してはしゃいだりしていて、一体この彫刻の何がこの子の心と反応してるんだろうな~、まあ他愛ないことなんだろうけど…とか思いながら微笑ましく見てたんですが、でもアートに限らず何かに感応する心というものを説明するのはほんと難しいですね。私もいくつかの作品には非常に惹かれたけど、何がどういいのかを言葉で伝えるのはほとんど不可能。私の言語能力が低いせいもありますが、無理やり言葉にしてみるとだんだん自分のことが胡散臭くなってくる..ww
それにしても、こんな小さな子にジャコメッティを見せようと思って連れて来るお母さんも素晴らしいですね。高い展示台に載ってる作品も、抱っこしてしっかり見せてたし。

ジャコメッティ

ところで展覧会なので陰影の強いスポットライトがあてられていましたが、この細かい粘土の塊の集積のような彫刻、作っている本人はどんな光の下で制作し、どんな光の下で見られることを想定していたんだろう?彫刻は置かれた場所の光によってだいぶ見え方が違ってきますよね。そこが面白いところでもあるんですが。

Ginza SIx
帰り道、ちらっと寄ってみたGINZA SIX。
吹き抜けに草間弥生さんのバルーンが。

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能面の面裏

2017/04/03 Mon 17:37

先日WEBで見かけた能面の面裏の写真、見た瞬間にドキッとして強烈な印象。
写真家の渡邉博史さんの能面を撮ったシリーズの一つです。

Hiroshi Watanabe Shunkan

能にも能面にも全く詳しくないけど、考えてみると能楽師の方が直接向き合っているのはこの面裏になるわけで、この裏面の造形にも機能的なこと以外に、演者の心に影響を与えるような深い意味が込められているんだろうなあ、と。

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トーマス・ルフ展

2017/03/18 Sat 14:59

3/12に終了しましたが、金沢21世紀美術館でのトーマス・ルフ展を見に行ってきました。

トーマス・ルフは一応写真家というくくりの方ですが、今回の展覧会を見ると、もはや写真という枠を遥かに飛び越えていて、「写真表現をベースにした、コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト」とでも言えばいいのか?(テキトーですがw) とにかく多彩なアイディアと表現にあふれた刺激的な展覧会でした。

展覧会は、過去から現在に至るまでルフさんが取り組んできた18のシリーズで構成されています。中には、予備知識なしだとルフさんがこの作品群で一体何をしようとしているのか、写真を見ただけではなかなか理解するのが難しいシリーズもあります。私は普段は展覧会へ行っても説明文をそれほど読まない方なんですが、今回は各シリーズごとの説明パネルがかなり役に立ちました。(笑) 1枚の写真またはその集合、その背景にこれほどの深い思考や洞察が存在しているのか、という事実にまずは心を動かされます。

Thomas Ruff
友人たちを撮った巨大な「ポートレイト」シリーズ
これだけ巨大に引き伸ばされると、もはやポートレイトではない別のものになってる感じ。

Thomas Ruff_lmvdr_other portraits
こちらは「アザー・ポートレイト」から。
犯罪捜査のためにかつて警察で使われていたモンタージュ写真合成機を使って制作された、この世には存在しない人のポートレイト。骨格と目鼻の位置に違和感がある人もいたりしてて、何だか幽霊のように儚げに見えてくる。

Thomas Ruff_lmvdr_nights
湾岸戦争のときの暗視カメラによるミサイル攻撃の映像に触発されたという「夜」シリーズから。緑色の画像は美しいけど、穴から異界をのぞいているようでちょっと怖い、怖いけどどこか詩情のある不思議な感覚。


シリーズの中でビジュアル的に最も惹かれたのが、「l.m.v.d.r.」と「ヌード」でした。
「l.m.v.d.r.」はミース・ファン・デル・ローエの建築を撮ったシリーズですが、デジタル加工された画像が非常にスタイリッシュに感じられ、鮮烈な印象を受けました。ミースは近代建築の先駆者なので、その建築を今現在の目から見ると逆に普通というか至って当たり前の建築に見えるんですが、ルフさんの画像で見ると新たな命を与えられて現代に蘇ったよう。

Thomas Ruff
Thomas Ruff
Thomas Ruff
「l.m.v.d.r.」シリーズ

Thomas Ruff_nudes
こちらは「ヌード」シリーズより。この作品集をお持ちのKさんの話によると、あまり過激なのは今回来てなかったみたいです。(笑)

Thomas Ruff
「jpeg」シリーズ。これが一番わかりやすいといえばわかりやすいか?


もう一つ印象的だったのは、「Press++」と「ニュースペーパーフォト」
この2つのシリーズは制作年代は全く違ってますが、2つで対になっているように感じられました。どちらも報道写真を題材にしてそれぞれ全く逆のアプローチで作品化したもので、「Press++」は写真にその当時のメモ書きなどの文字情報を合成した作品、「ニュースペーパーフォト」は逆にキャプションを取り除いて画像のみを提示したもの。これら2つの作品群が円形の同じ部屋に展示されていて、これらを眺めている自分は1枚1枚の画像から一体何の情報や意味を受け取っているんだろう?..と考えてしまいました。画像が元々持っていた意味や情報、それをどう伝達して人がどう受け取るのか、どう変質していくのか、という根本的な部分を問われているんでしょうか?どうもうまく言葉にできませんが、眺めているうちに何だか頭が混乱してきて面白かったです。(笑)

Thomas Ruff
「Press++」シリーズ

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福田尚代さんの回文と美術

2017/01/19 Thu 17:30

最近、福田尚代さんという美術家がとても気になってます。
昨年11月に出版された「ひかり埃のきみ」という作品集には、美術の他に福田さんが取り組んでいる回文も収録されているそうなんですが、新聞やネット記事にいくつか載っていたのを紹介すると、

「仮名の実 詩の石 またたく芥 たましいの染みの中」

「遠く闇の音 星の下 私の死 骨のみ焼く音」

「抱いていた卵 対だったがしぼみ 星がたった一個またたいていた」


..うーん、素晴らしい。回文であるという制約を軽やかに(実際は大変な苦労をされてるんでしょうけど)、鮮やかに打ち破って、想像力を強烈に刺激されるイメージ豊かな言葉として美しく結実させていて、わ~凄いな~、とつくづく感心してしまいました。長いものでは300字を超えるものもあるそうで、一体どうすればそんなものが作れるんだろう?と..。

ちょっと調べてみたら、何と金沢の山鬼文庫で昨年11月21日まで福田さんの個展が開かれていたそうで、あちゃ~もっと早く知ってたら見に行ったのにな~、と今非常に悔しい思いをしています。

実際の展示は見ていないので確かなことは言えませんが、Webで見た福田さんの作品は、本や原稿用紙、消しゴムなどの素材を繊細に加工して構成した、工芸的で、なんだか静かに独りごとを言っているみたいな、まさに見る詩のような印象。

原稿用紙をくり抜いた作品は、昨年21世紀美術館の「コレクション展2|ダイアリー」で見てその中で一番気に入った、セシル・アンドリュの「定時課」(本の文字を白く塗りつぶした作品)と似ているな~、とも思いました。と思っていたら、やはりこの両者を結びつけている21美の学芸員の方のレポートもあり。でも実際の印象はかなり違ってると書いてあるな..。

というわけで、福田さんの作品もいつか見られたらいいなと思いつつ、今「ひかり埃のきみ」が届くのを楽しみに待ってるところ。
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串の坊さんの器

2016/11/25 Fri 00:11

先日東京出張の折にお客様にご案内していただいた「串の坊 伊勢丹会館店」
こちらのお店で使われていた民芸調の器が、かねてより敬愛している河井寛次郎の作品を彷彿とさせる、なかなか素敵な器でした。

串の坊 伊勢丹会館店

串の坊 伊勢丹会館店

後日お店のウェブサイトから問い合わせたところ、これらの器は串の坊さんオリジナルで、兵庫県の「雷窯」で窯元をされている陶芸家の吉川周而さんの手によるものだそうです。
早速吉川さんの作品をWebでいろいろと検索してみたら、これらの器とは全くテイストの違うアーティスティックなオブジェなども製作されていて、非常に幅広い感性でものづくりをされている方のようですね。

串の坊 伊勢丹会館店

串の坊 伊勢丹会館店

いつかどこかのギャラリーかショップで吉川さんの作品に出会えればいいな、と。
串の坊さんの多彩で工夫を凝らした串カツ、オススメの焼酎もとても美味でした!

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